はじめての刑務所体験記

刑務所の年間行事

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■ お正月

刑務所体験記 お正月

刑務所では正月が特に楽しみだ。
何故なら正月の三日間は普段刑務所では食べられないようなご馳走が出るからだ。
勿論久しぶりの銀シャリで、毎朝雑煮も食べられる。
元日の朝、おせちの折り詰めで始まり鰻の蒲焼や牛肉のステーキ、エビチリなど刑務所とは思えないほどのご馳走である。
また、年末の30日から3日までの5日間は祝日扱いで毎日お菓子も支給される。
普段麦飯と野菜中心のメニューで強制的にダイエットされた体は正月の三日間で2~3キロ太ることも少なくない。


■ 観桜会

観桜会とはお花見のことである。
花見といってもグランドに一本だけある小さな桜の前に椅子を並べて鑑賞するといった、形だけの花見だ。
お菓子とジュースが配られるのはいいが、おおっぴらに話をすることもできず只ひたすら食べて終わりである。


■ 野球大会・サッカー大会

野球大会・サッカー大会は工場対抗で行われる。
基本的に試合をする工場だけ運動の時間にグランドに出て行うので、全試合終わるのには十日ほどかかってしまう。
ストレスの発散にもなりかなり盛り上がる。
オヤジ同士でもかなり好き嫌いがあるらしく、嫌いなオヤジが担当する工場と試合をするときには「何が何でも勝て!」と至上命令が下る。


■ 運動会

運動会は最も盛り上がる行事だ。
本番の2~3週間前から練習を始める。
運動会の日は午前中で作業をやめて、全員グランドに出て参加する。
何といってもリレーが盛り上がるが、ここではM級も参加するので更に面白い。
毎年恒例でM級から一人とA級から一人、進行係のアナウンスをやってもらうのだが、突然関係ないことをしゃべりだしたりして爆笑することもあった。


■ 慰問

年に一度、慰問が来る。
ここは他の刑務所に比べて小さな刑務所なので、ビッグな演歌歌手などが来ることはないがそれでも意外と楽しめる。
慰問は講堂で行われるのだが、工場別に入場して椅子に腰掛けたら、目をつぶらされる。
喧嘩や逃走を防ぐ為だろう。
慰問への出席は強制で、拒否することはできない。
慰問の内容はそのときによって違うが、以前はテレビでも活躍していたが最近はあまり見かけない漫才師や、刑務所廻りを中心に活動をしている歌手などだ。
それでも生で見るステージはなかなかのものである。
女性の若い歌手などが来ると盛り上がりは最大級で、夜のおかずにしている奴も多いことだろう。
慰問が終わってしばらくは何かと話題にのぼる。


■ クリスマス会

クリスマスには夕食で小さなケーキが出るが、それとは別に希望者のみクリスマス会が開かれる。
講堂で行われるのだが、地元の教会から牧師と若い女性の歌手がクリスマスソングを披露してくれた。
始めはクリスマス会に出るとケーキが食べられると騙されて出席したのだが、なかなか癒されてよかった。

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